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交通まちづくりと交通シミュレーションの技術をご紹介します

効果的な活用例Examples

交通シミュレーションを使えば、ボトルネックになりやすい変則交差点や踏切で起こる交通現象もリアルに再現できます。
ここでは、この再現力を事業評価の便益計算に活かした事例を紹介します。

11.道路・街路事業評価

  • 対象エリア


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  • 事例地域では、踏切と変則交差点が原因で渋滞を生じ、その影響は広範囲に及んでいます。これに対して計画道路の整備が予定されています。
  • 計画道路の整備によって、踏切通過車両の一定割合が計画道路に転換し時間短縮が図られます。一方、現ルートでも、計画道路に交通量が転換することによって渋滞が緩和し時間短縮が図られます。
  • 計画道路整備によって想定されるこのような効果を、交通シミュレーションを使って検証し、便益を計算しました。

現況再現(現象を再現し渋滞の原因を探る)

  • 交通シミュレーションを使うと、踏切や交差点内の複雑な車両の動きをモデル化し、再現することができます。(VISITOKによる交通現象の再現踏切による交通容量の低下参照)
  • 事例の踏切も、遮断時刻と開放時刻、車両通過速度を調査し、モデルに組み込みました。そして、現況再現を通じてパラメータ等を調整し、現状の渋滞長や通過時刻を再現しました。
  • このシミュレーションには、列車の通過が重なって遮断時間が長くなった時に、滞留が一気に増える様子が再現されています。踏切遮断が渋滞原因のひとつであることを確かめることができます。

  • また、滞留車列が変則交差点に及び南からの左折を妨げる様子も再現されています。すなわち、踏切と変則交差点という二つの要素が複合して、渋滞が起こっていることが分ります。

  • このように、複合的な要因で起こる渋滞メカニズムの解明には、交通シミュレーションの適用が便利です。

事後ケース(事後の変化を予測する)

  • 計画道路を整備すると、一部の車両の走行経路が変化し計画道路に転換します。このような場合には、現況交通量と経路の一部を変更して、事後の交通シミュレーションに反映します。

  • これ以外にも、計画道路関連道路計画や開発計画等に伴う道路交通の変化が予想される場合があります。それらの影響を反映させる場合には、OD表を使って交通量を推計する必要があります。
  • しかし、OD表は、もともと高速道路や主要幹線道路の交通量推計用に開発されたものです。事例で扱う交差点や踏切通過交通量を推計できるほどの精度は備えていません。「交通量データ作成法」参照(Youtube)

  • そのため、予測に見込む変化が小さすぎると、OD表及び推計誤差の影響が強く出てしまい、事前交通量と実測値の差や便益額をうまく説明できないことがあります。

  • その点、実測値をベースにした交通量を使えば、現況再現結果をそのまま事前の交通シミュレーション結果として使えます。両者の差を説明するわずらわしさも誤差の心配も必要ありません。
  • また、事前と事後の変化も明解です。便益額の算定根拠も合理的に説明できます。

結果の活用(便益を計算する)

  • 費用便益分析マニュアル(国土交通省)に記載されている3便益のうち、走行時間短縮便益では旅行時間を、走行経費減少便益では旅行速度を、算定に用います。
  • 事例では、踏切や変則交差点による影響や渋滞による影響を考慮する必要があるので、交通シミュレーションを適用しないと時間や速度を的確に推計できません。
  • 交通シミュレーションを適用した場合と適用せずに交通量から直接時間や速度を推計した場合で、走行台時を比較したのがこのグラフです。

  • 整備後よりも整備前で両者の差が大きいことが分ります。これは、交通シミュレーションを適用した方が、整備前の渋滞による影響を時間に敏感に反映しているためです。
  • 渋滞解消による効果を便益算定に的確に変更するには、交通シミュレーションの適用をお薦めします。

賢い使い方の工夫

 ・既往の交通シミュレーションのストックを活用する工夫

  • 事例エリアには、交通シミュレーションを既に実施済みの交差点が2箇所含まれています。

  • こんな場合、既往のモデルを活用すれば、モデル作成を省力化できます。詳しくは、ユニット統合型データ作成法の紹介(youtube)参照
  • 事例では、変則交差点に既往のモデルを活用し、モデル作成だけでなく現況再現に基づく調整の時間も短縮できました。

 ・精緻な時間や速度の集計を簡便化する工夫

  • 便益計算では、ネットワークを走行するすべての車両の走行時間(総走行台時)や走行距離(総走行台`)を使います。
  • 交通シミュレーションを適用する場合、走行区間や車線等を細かく設定すれば、渋滞による影響も精緻に反映できます。 しかし、設定を細かくすればするほどデータ量が増大し、計算量は膨大になります。
  • でも、心配は無用です。 VISITOKには、交通シミュレーションの結果を記録する機能が備わり、集計プログラムも準備されています。 こうした工夫によって、膨大な集計の時間短縮と低価格化を実現しています。



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