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交通まちづくりと交通シミュレーションの技術をご紹介します

効果的な活用例Examples

交通シミュレーションを使えば、渋滞原因になり易い商業施設の出入車両の動きもリアルに再現できます。
ここでは、その再現力を交通影響評価に活かした事例を紹介します。

12.交通影響評価

  • 既存商業施設は、南北の主要区画道路の沿道に集中して立地し、その経路にあたる主要区画道路や幹線道路ではアクセス交通の集中による渋滞を招いています。
  • 計画施設が立地すると、主要区画道路や幹線道路への車両の更なる集中を招き、渋滞が一層深刻化する恐れがあります。
  • そこで、幹線道路や主要区画道路への交通量の集中を抑えるための対策を検討し、その上で計画施設の立地に伴う交通影響評価を行いました。


    (クリックで拡大)

現況再現(渋滞原因とその緩和策を探る)

  • 事例では、まず幹線道路と主要区画道の渋滞の原因を探り緩和策を検討する必要があります。そこで、交通シミュレーションを使って現況の交通現象を再現し、渋滞の起こる様子を観察しました。
  • 観察の結果、商業施設の出入が集中する時間帯に、出入り車両の交錯をきっかけに主要区画道路の渋滞が始まることが分りました。そして、主要区画道路に進入できなくなった左折車が幹線道路に滞留するようになり、直進を含めた幹線道路の渋滞がひどくなっていく様子も確認できました。
  • このように、複雑な交通現象の解明に、交通シミュレーションの現象再現力が有効です。

  • 原因がわかれば対策も簡単に導けます。主要区画道路の沿道商業施設の出入り車両の交錯を減らせば良いはずです。
  • そこで、主要区画道路の一部を一方通行化し、沿道商業施設の出入機能の一部を分散する対策を考えしました。

予測ケース(計画施設立地による影響評価)

  • 次に、現況のモデルに計画施設を加えて、影響予測のための交通シミュレーションを行いました。もちろん、主要区画道路の一方通行化や沿道商業施設の出入機能の一部分散等対策も加味しています。
  • そして、その結果をもとに、幹線道路の渋滞は現状並みにとどまり、主要区画道路の渋滞は解消すること、その他の道路でも交通量は増えても渋滞には至らないことなどを確認しました。
  • このように、交通シミュレーションの結果を見るだけでも、影響の程度を感覚的にではありますが確認することができます。

結果の活用(影響を定量化する)

  • 影響は、交通シミュレーションの結果を見るだけでも感覚的に評価できます。しかし、主観を排して客観性を担保するには、影響を定量化して評価することも必要です。その事例を紹介します。
  • 最初に、幹線道路利用者の利便性評価事例です。計画施設の整備によって、幹線道路の交通量も増加します。このことを、走行台`を使って定量化すると、左のグラフのようになります。同じく右のグラフは、走行台時をつかって走行時間に対する影響を定量化しています。二つのグラフを使って、交通量は増えても、利便性が向上することを、定量的に裏付けることができます。

  • 次に、対象エリアの利便性評価事例です。下のグラフを見れば、一方通行化などによる迂回で走行台`(走行距離)は増加しますが、走行台時は減少(利便性は向上)することが分ります。なお、集計では、車両数の増加による影響を除くために、計画施設関連の車両を予測ケースの集計から除外しています。

賢い使い方の工夫

  • 交通シミュレーションでは、現況再現性の検査用データとして渋滞長や旅行時間を用います。
  • 渋滞長は、シミュレーション結果と直接比較できるので便利ですが、調査が難しくコストもかかります。そこで、事例では、幹線道路の1箇所に絞って滞留長を調査しました。
  • 旅行時間は、再現精度の評価には最も適切な指標なのですが、分散が大きいので多数回の計測が望ましいとされます。事例では、地区内道路のデータを網羅的かつ効率的に計測する工夫をしました。
  • その工夫とは、網羅的な調査に適しているナンバープレート調査を、路線バスに絞って効率化したことです。チェック断面とチェック車両を絞り、ほぼ全数をマッチングし検査データとして活かすことができました。

  • 最混雑区間(幹線道路〜主要区画道路)を含む区間を例に、調査データを現況再現にどのように活用されたか紹介します。
  • 下の図で、実測値とあるのが調査データです。往復で26のデータを確保しました。これだけの数が揃うと、非渋滞方向(左)の分散が小さく渋滞方向(右)の分散が大きい傾向も把握できます。
  • 再現値とあるのが交通シミュレーションの結果です。平均値だけでなく、分散も実測値を忠実に再現しています。



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