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交通まちづくりと交通シミュレーションの技術をご紹介します

再現可能な交通現象の例Examples

1.バス停車時の車両の速度低下

  • 当該道路には、停車帯がありません。停留所にバスが停車すると、本線走行幅が狭められ、走行車両の速度が低下します。
  • 放置すれば、ここが隘路となってネットワーク全体の機能低下にもつながりかねません。
  • そこで、下図の様な整備が必要な時期を想定するのに、交通容量や交通量が増加した場合の速度低下の程度がどれ位か予測したいと思っています。








交通シミュレーションの適用

  • シミュレーション上の走行車両が、実測の速度を再現するように調整します。
  • 区間速度に制限を加えるのが最も簡単です。当該区間の最高速度を実測値(平均値)に変更するだけです。
  • すると、下の動画のように現況再現されます。バスの停車の如何にかかわらず、車両は当該区間を設定速度(30q/h)で走行しています。


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    交通シミュレーションによる現況再現(区間速度に制限を加えた場合)
  • これでも、当該区間の速度(30q/h)は実測値を再現しています。しかし、実際の車両速度は、バス停車時(20q/h)と非停車時(40q/h)で変化します。
  • この様な現象を忠実に再現するには、現象の観察やシミュレーターの改良等が必要なことは言うまでもありません。
  • しかし、その手間と工夫を惜しまなければ、下の動画のように、バス停車時にのみ、減速→低速で並走→加速する現象を、忠実に再現することができます。


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    交通シミュレーションによる現況再現(バスと並走する区間のみ速度制限)

交通現象の再現性

  • 次に、作成した2つのシミュレーションモデルを使って、交通量を変化させた場合の速度の感度を見てみましょう。下のグラフをご覧ください。
  • このグラフは、発生交通量を変化させて、当該区間の通過交通量とその平均速度を交通シミュレーション結果をもとに集計し、プロットしたものです。
  • このグラフから、区間速度に制限を加えるだけの簡便なモデルの、交通量に対する速度の感度が悪いことがわかります。
  • 実際には、交通量が増えると車間が短くなり、加減速の余裕もなくなりますから、次第にバス停車時の制限速度に近づくはずです。
  • バスと並走する区間のみに制限をかけたモデルでは、その通りに再現されているのに対して、簡便モデルではその現象を再現できていません。
  • もうひとつこのグラフからわかることがあります。それぞれのグラフの右端の交通量が交通容量ですが、これに差があることです。
  • すなわち、交通容量の推計を、区間速度に制限をかけるだけの簡便なモデルで行うと1890台/hですが、バスと並走する区間のみ制限をかけたモデルを使うと1540台/hです。簡便なモデルを使うと、交通容量を過大評価するリスクがあります。



    交通量と速度の関係
  • 最後に、二つのモデルで予測される交通現象の差を動画でご覧ください。いずれも、発生交通量は同じで1600台です。
  • 区間速度に制限を加えただけの簡便なモデルで予測すると、交通流は比較的スムーズで、まだ余裕が感じられます。

    区間速度に制限を加えたモデル

    ↑クリックで動画再生

  • 一方、バスと並走する区間のみ速度を制限したモデルで予測すると、交通流は不安定で、全く余裕がありません。

    バスと並走する区間のみ速度を制限したモデル

    ↑クリックで動画再生

  • ご紹介したように、交通シミュレーションを使って再現・予測される交通現象はモデルの作り方で全く異なる場合があります。
  • 現象にばらつきを生むメカニズムを観察する手間と、その知見を交通シミュレーションに反映する工夫を惜しまず、交通現象の正しい再現・予測に努めてください。
  • 以上で、この事例に関する説明はおしまいです。最後まで、ご覧いただきありがとうございました。


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