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交通まちづくりと交通シミュレーションの技術をご紹介します

再現可能な交通現象の例Examples

2.駐停車による車両の速度低下

  • 狭い道路の多い日本の都市では、車両の通行レーンにはみ出して車両が駐停車している光景をよく見かけます。
  • 通行車両は、下図のように対向車線にはみ出して対向車を避けざるを得ませんが、対向車が来ると大変です。ともに、スピードダウンして擦れ違います。
  • 今回は、駐停車車両による速度低下のメカニズムを取り上げ、交通シミュレーションを使って、その影響の再現と予測を行います。
          



      

駐停車による速度低下のメカニズム

  • 交通シミュレーションを適用して、駐停車による速度低下のメカニズムを再現します。下のシミュレーションをご覧ください。
  • 画面右から左へ走行する車両が、駐停車車両を回避しようと、センターラインに寄ります。すると、対向車もそれを避けようと、左に寄ります。
  • そして、擦れ違い時には、接触回避のためお互いに減速(30q/h→10q/h)します。こうして、擦れ違いの度に減速を繰り返す結果、走行速度が低下する訳です。

    駐停車車両による速度低下のメカニズムを忠実に再現    


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  • それでは、このメカニズムを考慮しないと、同じ現象はどのように再現されるのか確かめてみましょう。下のシミュレーションをご覧ください。
  • 同じ交通量(400台/h)ですが、駐停車車両の影響を受けないので、擦れ違い時に減速することもなく、設定最高速度(30q/h)で車両は安定走行しています。
  • ミクロな現象ですが、駐停車による速度低下のメカニズムを考慮するか、しないかで、再現される交通現象には、大きな違いがあることが分ります。

    駐停車車両の影響を考慮しないで交通現象を再現すると…


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交通現象の再現と予測

  • それでは、駐停車による速度低下の影響を加味するか、しないかで、交通容量にどの程度差が生じるのか確かめてみましょう。
  • 下のグラフは、作成した2つのモデルを使って、発生交通量を変化させながら、当該区間の通過交通量とその平均速度を集計した結果を、プロットしたものです。
  • このグラフから、事例区間の交通容量を、駐停車の影響を加味するモデルでは875台/h、加味しないモデルでは1765台/h、と推計できます。

          

    交通量と速度の関係
  • このように、駐停車による影響があるのに考慮しない場合、交通容量を実際の倍程度に過大評価してしまうおそれがあります。
  • それでは、駐停車による影響で交通容量が低下し渋滞している道路の様子を交通シミュレーションで再現します。下の交通シミュレーションをご覧ください。
  • この道路本来の交通容量の約半分(875台/時)の交通量でも、駐停車車両による影響で、速度が低下し、渋滞状況を呈していることが分ります。



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  • 一方、同じ交通量でも、駐停車による影響を加味しないで再現するとどうなるでしょう。下の交通シミュレーションをご覧ください。
  • 速度低下も、渋滞も起こりそうもありません。この様に、 駐停車による影響があるのに再現を忘れると、渋滞のリスクさえも見逃してしまう場合があります。



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  • 以上で、この事例に関する説明はおしまいです。最後まで、ご覧いただきありがとうございました。
  • ご紹介したように、交通シミュレーションを使って再現・予測される交通現象はモデルの作り方で全く異なる場合があります。
  • 現象を動かすメカニズムを観察する手間や、その知見を交通シミュレーションに反映する工夫を惜しまないこと、それが交通現象を正しく再現・予測する秘訣です。


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